ハッピー・クリスマス(戦争は終わった) “Happy Christmas (War is Over)” John Lennon & Yoko Ono

Gospel in Rock

War is over

Lennon Legend: The Very Best Of John Lennon [Limited Edition, Import, From US]Lennon Legend: The Very Best Of John Lennon [Limited Edition, Import, From US]

1980年12月8日午後10時50分頃(日本時間9日12時50分)。ジョン・レノンはニューヨークのダコタハウスの前でヨーコと一緒にいるところに突然5発の銃弾を受け倒れる。ルーズベルト病院に運ばれるが11時15分頃死亡。当時私はまだ学生だったが、この日のニュースを最初どのように聞いたのかよく憶えていない。しかし、ニュースは繰り返し伝えれられ必死にラジオにかじりついてニュースを何度も何度も確認した。どうしても信じられなかった。FENではニュース以外の番組はレノンの追悼で一日中ビートルズ時代の曲、ソロの曲をコメント無しで流し続けていた。日本のラジオ局も急遽特別番組を組み彼の死を悼んだ。翌日の朝まで一睡もせずラジオを聞いた。ジョンの生前のコメント、曲を聴くたびに涙が溢れ、朝になっても重たい気持ちは変わらなかった。思い出すたびに当時の感情がこみあげてくる。

ビートルズ解散後の4人はそれぞれが成功を収めたが何故かジョンの活動は大方の予想に反して、ポールは別格としてもリンゴ、ジョージの健闘に比べて地味だったし亡くなる直前に発表されたアルバム「ダブルファンタジー」はその前のカヴァーアルバム「ロックン・ロール」から5年9ヶ月も歳月がたっていた。発表されたアルバムはヨーコとの共作ということでジョンの曲はアルバム14曲中半分の7曲だけという何か物足りないものだったが、シングルカットされた「スターティング・オーヴァー」はプレスリーのようなロックンロールナンバー。ジョンらしい力強いヴォーカルで今後に期待が持てるものだった。この曲のイントロは鐘の音のイントロで始まるのだが発表直後にジョンが亡くなるという不幸にあった為、鐘の音はどうしても葬儀の開始を告げる教会の鐘か仏壇に供えた鐘の音に聞こえてしまう。今でもそうだ。毎年ジョンの命日が近づくとこの曲と今回紹介する曲は必ずどこかでOn Airされる。

さて、その「ハッピー・クリスマス」。「Happy Xmas Kyoko, Happy Xmas Julian」のささやく声でスタートするが、このKyokoは、よく間違われるのだが、Yokoではなくヨーコと前夫の娘の京子であり、Julianはジョンの最初の妻シンシアとの間にもうけられたジュリアンである。曲はこの二人へのプレゼントして作られた。しかし、名前を間違えるのも当然でこの曲が収められたアルバム「SHAVED FISH」についていた歌詞カードも間違っていたようだ。曲が始まってからの盛り上がりは流石フィルスペクターのプロデュース。ここでのウオールサウンドは楽器でなくコーラスで盛り上げるのだが、弱きも強きも黒人も白人も黄色人種も・・・全ての人が戦争を止めてクリスマス、新年を迎えようというメッセージを分かり易く伝える。「戦争は終わった」と歌ってはいるが実はこの曲が発表された1971年は泥沼のベトナム戦争はまだ終わっていなかった。実際におわるまではまだ4年待たなくてはならなかった。曲のテーマは69年に「WAR IS OVER “IF YOU WANT IT” Merry Christmas from John and Yoko」のbillboardをニューヨークのタイムズスクエアその他に掲示したのだがそのときに使われたものと同じものだ。98年にも同じものをヨーコは再び掲示したがそのときプレスによせられたメッセージは次の通り

A MESSAGE FROM YOKO – DECEMBER 1998

This is a billboard event John and I did 29 years ago, in Xmas of 1969. At the time, it created good vibrations around the world and gave people strength.

The message is “We can do it”. and it’s still valid. If one billion people in the world would think peace – we’re gonna get it. You may think “well, how are we going to get one billion people to think? Isn’t this something we should leave to the politicians, who have the power to do those things?” Well, politicians cannot do anything without your support. We are the power. Remember, you don’t have to do much. The power works in delicate and mysterious ways. Visualize the domino effect and just start thinking positive, that we are all together in this. Thoughts are infectious.

For this Holiday Season I wanted this to be a gift to you from John and I. Have fun with it. Stand in front of the Billboard. Take photos of yourselves, your friends and family. Send them out, so the message will circulate.

Above all, have fun. I hope you have a good one. Lots of love.

Yoko Ono

December 1, 1998

要約すると

これはジョンと私(ヨーコ)が29年前、1969年のクリスマスに行なったビルボードイヴェントです。世界中に素晴らしいvibrations(変革)をもたらせ、人々に勇気を与えました。
※vibrationsは、当時の流行語で「誠実、変革、浄化」などの意味を持たせた。

“We can do it”というメッセージは今も有効です。もし10億の人々が平和を望むなら手に入れることができるのです。「私たちにそんな事ができるの?」「できるのは政治家じゃないの?」と思っている人は考えてください。政治家は私たちの支持が無ければ何もできないのです。私たちこそが「power(力)」なのです。決して多くのことをする必要はありません。powerは緩やかでも思ってもみない働きをするのです。ドミノ倒しを想像してみてください。そしてポジティブに考えることから始めてください。そうすることによって世界中に伝わるのです。

このビルボードをみなさんへのジョンと私からのクリスマスプレゼントとしたいのです。どうぞ、このビルボードの前であなたや、あなたがたの家族と一緒に写真を撮ってください。そしてそれを皆さんに送ってください。それによってメッセージは伝えられます。

とにかく、楽しんでください。皆さんが楽しいときを過ごせますように──愛をこめて

ヨーコ・オノ 1998年12月1日

12月8日は日本がハワイ・オアフ島の真珠湾を攻撃し太平洋戦争に参戦した日でもある。”War is Over”と本当に言える日はくるのだろうか。


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