リヴィン・オン・ア・プレイヤー “Livin’ On A Prayer” Bon Jovy

Gospel in Rock

Bon Jovy

Bon Jovi Greatest Hits - The Ultimate Collection - [Import, Best Of, Double CD, From US]

バンド名を正式にBon Joviとしてスタートしてから30年が経とうとしている。彼らがデビューした当時はハードロックと言えば男の音楽だったが、彼らのデビューによって本当の意味でハードロックは市民権を得た。なにしろ、それまでハードロックのコンサートに女性は数えるほどしかいなかったのにボンジョヴィの登場により一変した。ジャニーズ系のコンサートのように黄色い悲鳴が炸裂するのだ。人気は本国より先に日本の女性から火がついた。日本が育てたといっても過言ではないだろう。

今回Gospel in Rockで紹介する曲は、そのボン・ジョヴィの初期のヒット曲で今でも彼らのコンサートでは必ず歌われる「リヴィン・オン・ア・プレイヤー」である。ボン・ジョヴィ自ら出演したカセットテープのCMにも使われていたので、誰でも耳にしているはずだ。シングルとして全米No.1はもちろん、この曲が収められたアルバム『ワイルド・イン・ザ・ストリーツ/Slippery When Wet』は8週連続No.1になり当時だけで1,800万枚という天文学的なセールスを記録している。

ボン・ジョヴィの曲の魅力はハードロックでありながらアメリカンテイストのポップフレーバーで味付けされたさわやかな曲調とストーリー仕立ての詩にある。歌詞もおろそかにしていないところがそれまでのハードロックとは一線を画す。そこで詩に焦点をあててみよう。

物語風の出だしで始る。
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Once upon a time
Not so long ago
Tommy used to work on the docks
Union’s been on strike
He’s down on his luck…it’s tough, so tough
Gina works the diner all day
Working for her man, she brings home her pay
For love – for love

昔、といってもそんなに昔じゃないが
トミーは港で働いていた
だけど組合はストばかり
トミーは運にみはなされた。 つらい日々。

ジーナは食堂で一日中働く
働いて働いて稼ぎを全部持ち帰る
愛のため 彼のために
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情景が浮かぶ。男は港、女は食堂。三文芝居のような設定だが、名前は変えてはいるが実話らしい。
次に進めよう
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She says: We’ve got to hold on to what we’ve got
‘Cause it doesn’t make a difference
If we make it or not
We’ve got each other and that’s a lot
For love – we’ll give it a shot
(Chorus:)
We’re half way there
Livin’ on a prayer
Take my hand and we’ll make it – I swear
Livin’ on a prayer

彼女は言う。「いまあることにしがみつくしかないの」
「だって違いなんかないでしょう。うまくいってもいかなくても」
「私にはあなた。あなたには私。それで充分よ」
「愛のため。やるだけよ」

(コーラス)
「私たちここまでやってきたじゃない」
「祈って生きるの」
「さあ、手をとって。私たちきっとうまくいくわ。誓いましょう」
「祈りながら生きるの」
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稚拙な訳で申し訳ないがお分かり戴けるであろうか。
ここのところのフレーズが繰り返されるのであるがなんといっても主題はLivin’ on a prayer である。

幸福なときも苦しいときも様々などんな場面でも祈りはある。トミーとジーナはもちろん日々の生活は苦しいが祈っている。キリスト教の祈りはいわゆる「ご利益」だけではない。もちろん成功を祈ることもできるが、日々命を与えられ生かされている感謝の気持ちの方が強いのである。prayerという言葉は日本人の語感では間違われ易い。おそらくランダムに100人の人に「プレイヤー?」と聞いたら99人はテニスプレイヤーなどのスポーツ選手をイメージするだろうといったら言い過ぎか?

さて、prayer以外に気になる「shot」という単語がある。同じアルバムの曲でこれも大ヒットした「禁じられた愛/YOU GIVE LOVE A BAD NAME」の出だしのサビの部分にも使われている。普通日本人が使う英語では銃を撃つか写真撮影とかのイメージだが、「試しにやってみる」という意味のようだ。またhalf way thereというのも「中途半端」というよりもっと肯定的に使っている。

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Tommy got his six string in hock
Now he’s holding in what he used
To make it talk – so tough, it’s tough
Gina dreams of running away
When she cries in the night
Tommy whispers: Baby it’s okay, someday

トミーはギターを質に入れた。
昔のように語ることができない。つらい、悲しい話さ。
ジーナは逃げだすことを夢見る。
彼女が泣くと、トミーはそっとささやく「大丈夫さ、きっといつか」

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やはり辛い状況は続く。しかし・・・
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We’ve got to hold on to what we’ve got
‘Cause it doesn’t make a difference
If we make it or not
We’ve got each other and that’s a lot
For love – we’ll give it a shot

(Chorus)

We’ve got to hold on ready or not
You live for the fight when it’s all that you’ve got

(Chorus)

「いまのことにしがみつくしかないのさ」
「成功したってしなくったって、関係無いさ」
「俺達にはお互いがいるじゃないか、これで充分だろう?」
「愛のために、やるだけやっていこう」

(コーラス)

「覚悟できたってできなくたって、戦うしかないのさ、他には選択の余地はないのさ」

(コーラス)
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ジーナが逃げたくなるほど泣いたときは今度はトミーが同じことを言って励ましあう。若い夢見る2人は祈り続ける。・・・・・

ここに出てきたトミーとジーナはボン・ジョヴィが1988年に発売したアルバムNew Jerseyの中の99 in the Shade、2000年に発売した「It’s my life」にも登場している。

ボン・ジョヴィはこの曲意外にも祈りについて信仰について歌った曲がまだある。曲だけではなく詩にも興味をもたれるとまた違った感動があるはずだ。

2013年4月27日追記)BS-TBSの番組「SONG TO SOUL~永遠の一曲~」の中のインタビューでジョンはタイトルについて”It’s slang, holding on the hope”(スラングで希望を持ち続けるという意味だ)と答えている。


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