ユー・レイズ・ミー・アップ “You Raise Me Up” Josh Groban

Gospel in Rock

全く私ごとなのだが、2年近く弾いていなかったピアノを再開することができるようになった。弾けなかった理由はさておき、もともと初心者レベルで弾ける曲も少なかったのだが、まずは弾けなくなるちょっと前に練習していた“You Raise Me Up”を弾くことに。いつ聞いても素晴らしい曲だし、自分で弾く初級レベルの譜面で聞いていてもとても心地よい。実はこの曲、神を賛美している曲なのだが、日本人にちゃんと伝えられているのかどうか疑問になりサイトをいろいろみた。歌詞を訳しているサイトは沢山あるが、賛美歌として紹介しているサイトは殆どなさそうである。本来の歌詞の意味を紹介しようと思いこのGospel in Rockで取り上げることにした。多くのアーティストがカバーしているがここではJosh Grobanのものにした。

歌詞はAZLyrics.comから引用させて頂いた。

“You Raise Me Up”

When I am down and, oh my soul, so weary;
When troubles come and my heart burdened be;
Then, I am still and wait here in the silence,
Until you come and sit awhile with me.

You raise me up, so I can stand on mountains;
You raise me up, to walk on stormy seas;
I am strong, when I am on your shoulders;
You raise me up… To more than I can be.

You raise me up, so I can stand on mountains;
You raise me up, to walk on stormy seas;
I am strong, when I am on your shoulders;
You raise me up… To more than I can be.

There is no life – no life without its hunger;
Each restless heart beats so imperfectly;
But when you come and I am filled with wonder,
Sometimes, I think I glimpse eternity.

You raise me up, so I can stand on mountains;
You raise me up, to walk on stormy seas;
I am strong, when I am on your shoulders;
You raise me up… To more than I can be.

You raise me up, so I can stand on mountains;
You raise me up, to walk on stormy seas;
I am strong, when I am on your shoulders;
You raise me up… To more than I can be.

You raise me up… To more than I can be.

まずはタイトルの”You Raise Me Up”。聖書には下記に登場している。

(Psalm 41:10)詩編40章章10節
(English Standard Version (ESV))
10 But you, O Lord, be gracious to me,
and raise me up, that I may repay them!

(新共同訳)
11 主よ、どうかわたしを憐れみ/再びわたしを起き上がらせてください。そうしてくだされば/彼らを見返すことができます。

※引用箇所が10節と11節となっていて異なっているのは「新共同約聖書」には最初にタイトルがありそれを1節としているため。

ここからわかるように”You Raise Me Up”は、「わたしを起き上がらせてください。」となっている。もちろん原書はヘブライ語で書かれているのでRaiseを日本語に訳したものではないので注意が必要。「再び」というのも原書に書かれているものだろうと推測するが断定はできない。

歌詞を全部訳すことはしないが、要は苦しんで落ち込んでもあなた(主)が来てくれて私を再起させてくれるということである。サビの部分で聖書を背景としたものがあるのでそれを説明しよう。

You raise me up, so I can stand on mountains;
You raise me up, to walk on stormy seas;

mountainsは聖書の中にはよく出てくるし、山の上の場面もよく出てくる。ぜひ知っておきたい箇所は「山上の垂訓」あるいは「山上の説教」とも言われるマタイによる福音書の第5章~第7章の教えである。すべてが有名な説教であるがいくつかとりあげると(引用は新共同訳聖書数字は章節番号)

5:3 「心の貧しい人々は、幸いである、/天の国はその人たちのものである。

5:13 「あなたがたは地の塩である。だが、塩に塩気がなくなれば、その塩は何によって塩味が付けられよう。もはや、何の役にも立たず、外に投げ捨てられ、人々に踏みつけられるだけである。

5:38 「あなたがたも聞いているとおり、『目には目を、歯には歯を』と命じられている。
5:39 しかし、わたしは言っておく。悪人に手向かってはならない。だれかがあなたの右の頬を打つなら、左の頬をも向けなさい。
5:40 あなたを訴えて下着を取ろうとする者には、上着をも取らせなさい。
5:41 だれかが、一ミリオン行くように強いるなら、一緒に二ミリオン行きなさい。
5:42 求める者には与えなさい。あなたから借りようとする者に、背を向けてはならない。」

7:6 神聖なものを犬に与えてはならず、また、真珠を豚に投げてはならない。それを足で踏みにじり、向き直ってあなたがたにかみついてくるだろう。」(「豚に真珠」の語源)

7:13 「狭い門から入りなさい。滅びに通じる門は広く、その道も広々として、そこから入る者が多い。
7:14 しかし、命に通じる門はなんと狭く、その道も細いことか。それを見いだす者は少ない。」

7:26 わたしのこれらの言葉を聞くだけで行わない者は皆、砂の上に家を建てた愚かな人に似ている。(「砂上の楼閣」の語源)

等々である。

次の歌詞の
You raise me up, to walk on stormy seas;
mountainsに対比してseasがでてきているがここの”walk on stormy seas”は、聖書では、同じ「マタイによる福音書」に書かれている。

14:22 それからすぐ、イエスは弟子たちを強いて舟に乗せ、向こう岸へ先に行かせ、その間に群衆を解散させられた。
14:23 群衆を解散させてから、祈るためにひとり山にお登りになった。夕方になっても、ただひとりそこにおられた。
14:24 ところが、舟は既に陸から何スタディオンか離れており、逆風のために波に悩まされていた。
14:25 夜が明けるころ、イエスは湖の上を歩いて弟子たちのところに行かれた。
14:26 弟子たちは、イエスが湖上を歩いておられるのを見て、「幽霊だ」と言っておびえ、恐怖のあまり叫び声をあげた。
14:27 イエスはすぐ彼らに話しかけられた。「安心しなさい。わたしだ。恐れることはない。」
14:28 すると、ペトロが答えた。「主よ、あなたでしたら、わたしに命令して、水の上を歩いてそちらに行かせてください。」
14:29 イエスが「来なさい」と言われたので、ペトロは舟から降りて水の上を歩き、イエスの方へ進んだ。
14:30 しかし、強い風に気がついて怖くなり、沈みかけたので、「主よ、助けてください」と叫んだ。
14:31 イエスはすぐに手を伸ばして捕まえ、「信仰の薄い者よ、なぜ疑ったのか」と言われた。
14:32 そして、二人が舟に乗り込むと、風は静まった。
14:33 舟の中にいた人たちは、「本当に、あなたは神の子です」と言ってイエスを拝んだ。

Youtubeで私がここで書いたことがぴったり当てはまるものがあったのでリンクを張っておく。

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