マトリックス

Matrix Gospel in Movies

マトリックス(The Matrix)は「キリスト教的」な映画ではありませんが、「キリスト教の知識」があるとより面白くみれる映画の代表だと思います。
 なお、ネタバレの話もありますのでまだ「マトリックス」をご覧になっていない方は、注意してください。キーワードを解説していきます。
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・主人公 “ネオ(Neo)”。neo は「新しい」を意味する接頭語ですが、 イエス・キリストを表す“One”の並べ替えでもあります。また、Neoが登場する最初の方の場面でアルバイト?でのクライアントのChoiになにやらMD?を渡したとき”Hallelujah. You’re my savior, man. My own personal Jesus Christ.”とここでもNeoの人物像が暗示されています。ネオは名前だけでなく、 モーフィアスやトリニティー(後述)に「救世主(メシア) 」として迎えられ、エージェントとの戦いに敗れ死んだ後、復活するのですがこれは十字架に架けられ死んだ後3日後に復活したイエスの生涯そのものと酷似しています。但し、ネオが復活したのは3日後ではなく2分後でした。 さらにリアルワールドでのネオの本名?、トーマス・アンダーソンの「トーマス」は、イエスの弟子の1人の名前でもあります。

・Neoと行動を共にする“トリニティ(Trinity)”。 Trinity(三位一体)はキリスト教においては、 父なる神、神の子イエス・キリスト、 そして聖霊が同じ一つの神であるということの教義ですが、このことを理解するのは難しいですね。マトリックスでは、ネオとこのトリニティー、モーフィアスの3人が一体となって活躍することを表しているのかもしれません。小泉首相が唱えた「三位一体の改革」は、誤用です。

・Neo たちが拠点にしているホバークラフトの名前“ネブカデネザル”。これは聖書に出てくるバビロニア王の名前です。しかし、ネブカデネザルは「口語訳聖書」の表記であって「新共同訳」ではネブカドネツァルとなっています。聖書での登場箇所を記します。

列王記下 24章 1節
彼の治世に、バビロンの王ネブカドネツァルが攻め上って来た。ヨヤキムは三年間彼に服従したが、再び反逆した。

また、最近の話題としてイラク戦争後、博物館からたくさんの古代土器や石器が盗まれたようですがそのなかに「バビロン遺跡から盗まれたとみられる古代バビロニア王国のネブカドネザル2世王時代(2600年前ごろ)の石碑も含まれる」という記事がありました。

・ザイオン。 最後の人類が生き残っている場所としてザイオンという名前だけがでてきますが、これは聖地エルサレムの丘の名前です。Zionは英語読みですが、ラテン語ではシオン。パレスチナにユダヤ人国家を建設しようとする運動(シオニズム)の象徴になっていました。マトリックスのザイオンに関しては続編で詳細が明らかになります。マトリックスはキリスト教以外からもギリシャ神話等からも借用があります。例えばモーフィアスは、ギリシャ神話の「眠りの神」からとられています。

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