マイ・スウィート・ロード “My Sweet Lord” George Harrison

My Sweet Lord Gospel in Rock

2001年11月30日午前6:30元ビートルズのジョージハリスンは家族に囲まれ亡くなった。「マイ・スウィート・ロード」はソロになったジョージの初の全米No.1シングルで1970.12.16から4週連続No.1となった。ビートルズのメンバーのソロでも初のNo.1である。さらに亡くなった後も再発売された「マイ・スウィート・ロード」が2002年1月に全英でNo.1にもなっている。

この曲を「賛美歌」と聞いたら「?」と思われる方も多いであろう。「マイ・スウィート・ロード」と繰り返し歌うこの曲を「マイ・ウエイ」と同じ様に「私の大好きな道」「人生」と思われていた日本人が多いと思われる。実は私も中学生の時に初めて聞いてからずっと「ロード」は道であると思っていた。改めて聞くと、バックでは「ハレルヤ」のコーラスも入っているし、「会いたい、一緒にいたい」と歌っているので「ロード」が「道」では妙だ。実はロードとは日本の聖書では「主」に相当するもので「神」のことである。賛美歌だということを意識する必要はないが、少なくとも「ロード」を「道」というように間違いはしないで欲しい。エドウィン・ホーキンス・シンガーズの「オー・ハッピー・デイ」にインスパイアされた曲だということも付け加えておこう。

日本でも当然ヒットした。詩は語感以外あまり意識されずにギターのカッティングのかっこよさが受けたのだと思う。少しマニアックになってしまうが、イントロからF#m B F#m B・・・の繰り返しのコード進行なのでギター初心者にとってもそんなに難しくはない。だが、簡単なだけにかっこよく弾くのは意外と難しい。

ジョージにとっても「マイ・スウィート・ロード」はかなり気に入っていたようだ。亡くなる直前に「マイ・スウィート・ロード」を収めたアルバム「オール・シングス・マスト・パス All Things Must Pass」がリマスターされて再発売されたときにニュー・センチェリー・エディションとして再録音した「マイ・スウィート・ロード」も収めている。

ちなみに「オール・シングス・マスト・パス」は、当時アナログレコードで3枚組みの超大作として発売されて日本円で5000円もしたが、全米、全英両方でのNo.1アルバムともなっている。もし、「マイ・スウィート・ロード」を聞きたい方がいたらこの「オール・シングス・マスト・パス」をお勧めする。今ではCD2枚に収めているので買いやすくなっているし他にも「ヒア・ミー・ロード」といったジョージ流の別の「賛美歌」もある。

話がそれてしまったが「マイ・スウィート・ロード」ほどシンプルに神への愛情を歌った曲は少ない。ビートルズのメンバーは2人になってしまったが天国のジョージはきっと「可愛い神様」のそばにいるはずだ。アーメン。

注)この曲のバックで歌われている「ハレ・クリシュナ」はヒンズー教の最高神の名前で、当時ジョージがインド哲学や民族音楽に傾注していたことからLordは「ヒンズー教の神」を指すとされている。しかし、師と仰いでいた伝道師マハリシ・マヘシ・ヨギの俗物的な生き方に疑問を持ち離れていることから、ここでは欧米一般の神、キリストであると解釈した。

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