第三話 猟銃
柴田竜夫ら3人の若者は、上司の吉岡との仕事上のふとした考え方の相違が原因でガードマンの仕事を辞めてしまい、気の抜けた日々を送っていた。
そんな中、連続して発生していた猟銃乱射事件の警戒警備中の吉岡を訪ねた彼らは、不幸にも事件に巻き込まれてしまう。猟銃をつきつけられ、痛めつけられても決して屈服しない吉岡の姿に3人は・・・・
主題のストーリーは上記の通りだが、もう1つの話が。吉岡と竜夫の母、裕子との関係。吉岡の口から明らかになる。30年前、特攻隊出撃前に、友人のカシマと2人で裕子を取り合ったというのだ。決着をつけるためにカシマと決闘はしたが、カシマは特攻隊として戦地へ。そのまま帰らぬ人となった。戦後、裕子の家を訪れたが、カシマのことを思い言い出せず、さらに裕子が結婚する前に裕子が吉岡に会いにきたのだが、そのときも同じことだった。そのときの吉岡の心境は「幸せな家庭なんか作りたくなかったんだ」。「亡くなっていった戦友に1人ぐらい義理立てしたっていいだろう(確かこんなセリフ)」「甘っちょろいことでも一生かけてすれば甘くなくなる」度肝を抜かれるセリフだ。一心岩をも通すとはこのことか。 裕子に対する気持ちは、「昔のことだ。30年も前の話だ」と、何もないと口にしたが、竜夫から「30年も戦友のことを思っているじゃないか」と突っ込まれてしまうが、場面はそこで終わり。何となく吉岡と裕子の恋愛が結ばれるのかと思いきや、裕子こと久我美子は第2部以降出てこない。
話を戻すとこの回のハイライトは、猟銃を持った犯人と吉岡の会話だろう。仲間のガードマンが犯人に「手取り11万から13万ぐらいで、怪我することはない」と宝石店の安全装置のはずし方を聞かれて、吉岡は、「給料の為だけに働いているのではない」と、犯人に立ち向かい、撃たれてしまう。しかし、この行動が怯えていただけのガードマンに力を与え、最後は悦子が飛び掛って犯人逮捕。銃をつきつけらても、犯人相手に説教をしてしまう。酒場での説教親父は多いが、ここまでくれば本物。
いざとなった時に普段と同じ行動が取れる人はそうはいないと思うが、吉岡は流石。若者3人との溝は完全に埋まったわけではないのだが、吉岡のことを認めざるをえない結果になった。
吉岡の徹底した態度が、どこまでも貫かれていくドラマなのだが、最近こんな骨太なドラマはない。
コメント
2014年1月5日にBSプレミアムで放送しました。
コメントありがとうございます。私も昨日放送があることを知り、間に合いました。NHKオンデマンドでいつでもみれるのですが、やはり見てしまいます。2月まで続くようなので永久保存版で録画します(^・^)できれば4部までやって欲しいのですが恐らく事件続きの俳優Sの出演があるので難しいと思います。